近年は、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントなど、セキュリティ関連人材の求人が増加しています。この分野は今後も市場拡大が見込まれており、将来性の高い職種といえるでしょう。
この記事では、セキュリティ人材の採用ニーズが急増している背景と技術的・社会的要因を解説するとともに、未経験からのキャリア形成の可能性についてもご紹介します。
目次
セキュリティ人材の求人が増えている理由
人材サービスが発表している求人関連のレポートによると、セキュリティエンジニアの求人倍率は、ここ数年で大幅に上昇しています。企業のニーズが急拡大する一方で、専門知識や実務経験を持つ人材は慢性的に不足している状況です。
特に、ネットワーク設計やインフラ構築、クラウド運用、脆弱性診断、インシデント対応などの経験を持つ人材が評価されており、好条件の求人が増えています。
こうした売り手市場を背景に、若手のセキュリティエンジニアやコンサルタントの市場価値も高まっています。未経験者にとってもチャンスであり、早い段階から現場で実務経験を積み、専門性を養っていくことで、キャリアアップを実現することも可能です。
DX推進によって企業のIT活用が急拡大
2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」がきっかけとなり、多くの企業が競争力向上や業務効率化を目的にDX推進に取り組んでいます。
ペーパーレス化や基幹システムの刷新、IoTデバイスの導入、オンラインサービスの拡充などによって、業務の効率化は大きく向上しました。しかしその一方で、サイバー攻撃の対象となる領域(アタックサーフェス)も拡大しています。
いまや顧客情報や機密データといった、企業が守るべき重要資産の多くがデジタル化されています。万が一のセキュリティ事故は事業停止や信用失墜につながる可能性があるため、セキュリティ対策は企業の存続を左右する重要な経営課題のひとつとなっています。
サイバー攻撃のみならず、さまざまなリスクからシステムを守り、ビジネスの安全な運用を支えるのが、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントの役割です。企業の事業や業務を深く理解しながら、DX推進を安全面から支える存在として期待されています。
クラウド移行と新たなセキュリティ課題
近年、多くの企業がオンプレミス環境からAWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスへ移行しています。柔軟性と拡張性に優れたクラウドは、DX推進を支える重要なビジネス基盤です。
クラウド環境は、これまでとは異なるセキュリティが必要です。特に近年は、クラウド固有のアクセス権限の設定ミスや、認証管理の不備に起因する大規模な情報漏えい事故が後を絶ちません。
クラウドサービス自体のセキュリティ水準は高いものの、利用企業側の設定や運用設計に不備があれば、重大なインシデントにつながる可能性があります。技術的な対策だけでなく、適切な運用ルールの整備や継続的な監視体制の構築も欠かせません。
そのため、適切な権限管理(IAM設定)やID認証、多要素認証(MFA)の導入などを通じて、クラウド環境を安全に設計・構築・運用できるセキュリティ人材が求められています。クラウド利用の拡大に伴い、クラウドセキュリティに精通したエンジニアやコンサルタントの需要は今後も高まっていくでしょう。
ソフトウェア開発の増加で「セキュリティを組み込む」時代へ
企業のデジタルサービス拡大に伴い、ソフトウェア開発案件も増加しています。
近年は、アジャイル開発やDevOpsの普及によって開発スピードが重視されるようになり、開発後にセキュリティ対策を追加する従来の手法では、十分な対応が難しくなっています。
そこで現在は、開発の初期段階からセキュリティを組み込む「Shift Left」や「DevSecOps」という考え方が広く浸透しています。
安全なアプリケーションを構築するためには、設計段階から脆弱性を考慮し、継続的にセキュリティテストを実施することが重要です。このためセキュリティ人材には、開発チームの一員として、設計・開発フェーズからセキュリティ対策を支援する役割が期待されています。
SOC/CSIRTの立ち上げ・運用の本格化
近年は「サイバー攻撃を完全に防ぐことは難しい」という前提のもとに、被害を最小限に抑えるための監視・対応体制の構築が重視されています。
その代表例が、SOC(Security Operations Center)とCSIRT(Computer Security Incident Response Team)です。
SOCは24時間365日体制でログやネットワークを監視し、異常を検知する組織です。一方のCSIRTは、インシデント発生時の調査や対応を統括する専門チームを指します。
これらの取り組みは、以前は大企業が中心でしたが、今では中堅企業や地方企業にも広がっており、ログ分析や脅威分析、インシデント対応を担うセキュリティ人材の獲得競争が年々激化しています。
まとめ - 未経験からセキュリティ分野に挑戦するポイント
DX、クラウド、AI活用が進む現代において、サイバーセキュリティは企業活動を支える最も重要なインフラとなっています。今後もセキュリティ人材の需要は増えていくでしょう。
専門性の高い分野ではありますが、未経験からセキュリティ分野に挑戦することは十分に可能です。未経験からキャリアを築くためには、教育体制の整った環境で、早い段階から実務経験を積み、専門性を高めていくことがポイントとなります。
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