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2026.04.14

脆弱性対策は何から始める?4工程で分かる実務の進め方

脆弱性対策は何から始める?迷いやすいポイントと全体像

「脆弱性対策が必要なのは分かっているけど、何から始めればいいのか分からない」「診断結果はあるけど、すべて対応するのは難しい」――そんな状態で止まっていませんか。

脆弱性対策はどの企業でも必要ですが、進め方が分からず止まってしまうケースが多く見られます。

一見難しそうに見えますが、やることはシンプルで、「見つける、計画する、修正する、確認する」の4工程に整理することができます。

本記事では、セキュリティに詳しくない担当者でも実務で動けるように、脆弱性管理の基本工程と具体的な進め方を整理し、現場でよくあるつまずきポイントも踏まえながら、今日から対応の流れが分かるように解説します。

脆弱性対策とは?継続的に管理する運用

脆弱性対策とは、システムやソフトウェアに存在する脆弱性を継続的に把握し、事業への影響度に基づいて対応方針と優先順位を決め、修正と検証を繰り返す運用です。

単発の修正作業ではなく、「どこに何の脆弱性があり、どこまで対応できているか」を把握し続けることが前提になります。この状態が維持できていないと、対応の優先順位が決められず、重要な修正が後回しになります。

そのため、脆弱性対策は個別の作業ではなく、「脆弱性管理」として以下の工程で継続的に回します。


・可視化:資産と脆弱性を紐づけて一覧化
・修正計画:影響度と公開状況をもとに対応方針と優先順位を決め
・対策実施:パッチ適用や設定変更で脆弱性を解消
・検証:再スキャンや再診断で修正結果を確認


また、重要なのは「すべての脆弱性をなくすこと」ではなく、「対応すべき脆弱性が判断でき、対応が回っている状態を維持すること」です。

脆弱性対策が必要な理由と運用の考え方

脆弱性対策が必要な理由は、限られたリソースの中で効率的にセキュリティレベルを向上させるためです。

現場では、すべての脆弱性を一度に対応することはできません。セキュリティ診断やスキャンを実施すると多数の指摘が出ますが、その中にはすぐ対応すべきものと、後回しでもよいものが混在します。

例えば、外部公開されており認証なしでアクセスできるシステムの脆弱性と、社内限定で利用される端末の脆弱性では、対応の優先度は明確に異なります。しかし、この判断軸が整理されていないと、どちらも同じ「脆弱性」として扱われ、対応の順番が決められません。

その結果、以下のような状態になりがちです。


・ 重要度の低い対応に時間を使ってしまう
・ 担当者ごとに判断がばらつく
・ 対応が属人化し、継続できない
・ 過去に対応した内容が追えない
・ 新しく出た脆弱性が把握できていない
・ 対応が単発で終わり、次につながらない

この状態では、「対応しているつもり」で運用が止まります。

このような状況を防ぐために、脆弱性管理が必要となります。影響度や公開状況といった判断基準をもとに優先順位を明確にし、「どこまで対応できているか」を継続的に把握できる状態をつくります。

そのため、脆弱性対策は単なる修正作業ではなく、「対応の順番を決めて運用として回すための仕組み」として必要になります。

脆弱性対策でよくある誤解と正しい進め方

脆弱性対策がうまく進まない原因の多くは、最初の理解のズレにあります。ここでは、現場で特によく見られる誤解を整理します。

誤解正しい理解
セキュリティ診断を実施すれば対策は完了診断は脆弱性を可視化する工程の一部であり、その後の修正計画・対策実施・検証までおこなうことで、初めて対策として成立する
パッチを適応すれば十分設定不備や構成の問題はパッチでは解消できないため、設定や構成の見直しが必要
一度対応すれば終わり脆弱性は継続的に発生するため、運用として回し続ける必要がある。
全ての脆弱性をすぐに直すべき影響度と公開情報に基づいて優先順位をつけ、重要なものから順番に対応

これらの誤解に共通しているのは、「脆弱性対策を単発の作業として捉えている点」です。

実際には、可視化・修正計画・対策実施・検証を一連の流れとして継続的に回すことが前提になります。まずはこの流れを理解し、自社の運用に当てはめて整理することが、脆弱性対策を始める第一歩です。

脆弱性対策は「可視化・修正計画・対策実施・検証」で回す

実務では、4つの工程を日々の運用に組み込みます。

可視化

資産ごとにどのような脆弱性が存在するかを把握します。診断ツールやスキャンも活用できますが、ツールだけでは実際のリスクは把握しきれません。

ツールは既知のパターンに基づく検出に限られるため、構成や利用状況に依存する問題や認証後の挙動までは十分に捉えられない場合があります。そのため、実務では人が実際の挙動や構成を確認し、脆弱性の影響を見極めます。

修正計画

「影響度」と「公開状況」をもとに対応方針と優先順位を決めます。外部公開されているか、認証なしでアクセスできるか、既知の攻撃コードが存在するかといった観点で整理し、どの順番で、どの方法で対応するかを具体化します。

対策実施

パッチ適用や設定変更を実施しますが、ここでも一律に適用するのではなく、システム停止の影響や運用との兼ね合いを踏まえて進めます。特に設定や構成に関する対応は、実際の利用状況に応じた調整が必要になります。

検証

再診断等による確認に加え、重要な箇所については手動での確認を行います。効率と精度の両方を担保するために、役割に応じて使い分けます。

脆弱性対策の管理サイクル図。可視化→修正計画→対策実施→検証を1サイクルとしている。

このサイクルは一度で終わらせるものではなく、継続して回すことが重要です。脆弱性は新たに発生し続けるため、定期的に可視化から検証までを繰り返し、常に現状を把握し続ける必要があります。

また、このサイクルを回すことで、どこまで対応できているのか、どの対応が残っているのかを整理できる状態を維持できます。結果として、対応の優先順位を見失うことなく、重要な対策から確実に進めることが可能になります。

当社ができること

脆弱性対策は、単に実施することではなく、継続して運用として回せているかが重要です。

そのためには、対応の全体像を整理し、どこまで対応できているのかを把握できる状態をつくることが前提になります。一方で、実際の現場では診断結果の量が多く、どこから手を付けるべきかで止まってしまうケースも少なくありません。対応の優先順位や進め方に迷うことも多く見られます。

まずは自社の資産を整理し、外部公開範囲と重要システムを起点に対応方針と優先順位を明確にすることが現実的な進め方です。無理にすべて対応しようとするのではなく、運用として回せる形に整理することが重要です。

当社では、ツールでは把握しきれない実際の挙動や構成まで踏み込んだ診断と、結果に基づく計画の整理から対応の進め方までを一貫して支援しています。脆弱性対策の進め方に迷った際は、お気軽にご相談ください。